「一緒に副業やらないか?」
「オレはお前と夢を見たいんだ」
そんな一言から、ネットワークビジネスの話は始まる。
ネットワークビジネス=MLM(マルチレベルマーケティング)。紹介されたヤツが、さらに誰かを紹介する。その繰り返しで金が動く仕組みのことだ。
「紹介するだけで収入が入る」
「最初は不安でも、みんな成功してる」
でも、なんか引っかかる。
言ってることは正しいようで、うまく言葉にできない不安が残る。
安心しろ。
その違和感、間違ってない。
この記事では、ネットワークビジネスが構造的に稼げない理由を、数字と論理でハッキリ証明する。
焦って始める前に、一度立ち止まれ。
「やらなくてよかった」と思える材料はここにある。
ネットワークビジネスが稼げない3つの理由
ネットワークビジネスは、誰でも稼げる、やればやるほど収入が増えると言われがちだ。
だが、現実にはほとんどの人が稼げていない。
それはなぜか?
やり方が悪いとか、努力が足りないとか、そういう話じゃない。
問題はもっと根本にある。
ネットワークビジネスという仕組みそのものが、最初から無理ゲーなんだ。
ここでは、その構造的な理由を3つに分けて解説する。
① 構造的に無理がある
結論から言う。ネットワークビジネスは、稼げないようにできてる。
理由は単純で、「売る人」が増えすぎて、「買う人」がいなくなるからだ。
本来ビジネスは
- 商品が売れる
- お客さんが喜ぶ
- 対価が発生する
という流れで回る。
でもネットワークビジネスでは、「商品を買う人」=「次に売る人」になる。
つまり、買った人がすぐ売る側に回る。
この循環、見た目は回ってるようで中身は空回りだ。
②「紹介してナンボ」だから稼げない
「人に紹介すれば稼げるよ」たしかに聞こえはいい。
でも裏を返せば、「紹介できなきゃ稼げない」ってことだ。
キミの周りに、そんな簡単に紹介できる人が何人いる?
しかも、誰かを紹介して、その人がさらに紹介して……という連鎖。
冷静に考えればわかる。
どこかで止まる。
むしろ、すぐ止まる。
③ 後発組ほど売りにくくなる仕組み
ネットワークビジネスでは、後から始めた人ほど不利になる。
理由はシンプル。
- 売る側がすでに増えすぎている
- 製品の情報も出回り「うさんくさい」と思う人が増えている
- 周りの人もすでに誰かから勧誘されている
つまり、後発組に残されたのは「もう売れ残った市場」だけ。
売りにくくなった商品を、売りにくい環境で売る。
そこで「怖い」と感じたなら、それは正しい。
あなたが感じたのは、売れない構造を察知した自然な防衛本能だ。

売りたい人しかいねぇ市場で、誰が買うんだよ。
ピラミッド構造はすぐに限界がくる
「1人が5人に紹介するだけでいい」
「それが何層にも広がっていく
そう聞くと、なんだか夢のある仕組みに見えるかもしれない。
でも、実際に数字を当てはめてみると、その夢は一瞬で崩れる。
ネットワークビジネスが稼げない理由は、構造そのものに限界があるからだ。
5人ずつ紹介すると5層で限界が見える
仮に、キミが1人目として5人を紹介したとする。
その5人がまた5人ずつ紹介して…と続くと、人数はこうなる。
層 | 人数 | 累計 |
---|---|---|
1層(あなた) | 1人 | 1人 |
2層 | 5人 | 6人 |
3層 | 25人 | 31人 |
4層 | 125人 | 156人 |
5層 | 625人 | 781人 |
たった5層で、すでに781人が必要になる。
しかもこの781人全員が、毎月商品を買い続けることが前提だ。
現実的に、そんな人数に安定して売れ続けると思うか?
10層で人口の壁にぶつかる
さらに進めるとどうなるか。
層 | 人数 | 累計 |
---|---|---|
6層 | 3,125人 | 3,906人 |
7層 | 15,625人 | 19,531人 |
8層 | 78,125人 | 97,656人 |
9層 | 390,625人 | 488,281人 |
10層 | 1,953,125人 | 約244万人 |
10層で約244万人。
これはもう人口の壁だ。
しかもこれ、1つの組織だけでこの人数という前提。
同じようなネットワークビジネスが複数存在することを考えれば、現実的にはもっと早い段階で詰む。
増やせば増やすほど、自分の首が締まる
「紹介すればするほど稼げる」その言葉に嘘はない。
だが、構造上、誰かが損しないと、自分は得できないのがネットワークビジネスの現実だ。
紹介するほど、仕組みは崩壊に近づく。
最初はうまくいくように見えても、後半は売れない連鎖になる。
それでも「まだいける」と思えるだろうか?
構造的に無理があるとわかれば、撤退も戦略だ。



5人に売る。そいつらも5人に売る。
で、誰が買い続けんだよ。
会員を売るビジネスは続かない
ネットワークビジネスは「商品がいい」と言われることがある。
でも、そのビジネスの実態はどうだ?
よく見ればわかる。
商品を売ってるんじゃない。
人を「会員として」売ってるだけだ。
本当の目的は「商品」じゃなく「継続購入」
ネットワークビジネスでは
- 商品があるから合法
- 商品が優れてる
とよく言われる。
だが実際の仕組みを見ると、本当の目的は、商品を売ることではなく「買わせ続けること」にある。
毎月決まった金額分の商品を購入しないと、報酬が発生しない。
だから多くの会員は、商品が必要だから買うのではなく、報酬のために買う。
これを「自爆購入」と呼ぶ。
つまり、商品の価値ではなく「仕組み上の義務」で動いている市場ということだ。
この時点で、もう健全な商売とは言えない。
本来のビジネスは、商品そのものの価値でお金が動くもののはずだ。
「紹介すること」がゴールになってる時点で終わり
ネットワークビジネスでは、
- 誰かを紹介できたら成功
- ラインが伸びたら勝ち
みたいな空気がある。
でも、よく考えてほしい。
紹介したその先はどうなってる?
本来のビジネスであれば、
- 商品に価値がある
- 顧客が満足してリピートする
- 売上が積み上がっていく
という、価値提供の循環がある。
だがネットワークビジネスでは、
- 紹介された人がとりあえず商品を買う
- 数ヶ月でやめる、もしくは自爆購入を始める
- その人も「紹介しなきゃ」と焦り始める
つまり、商品より「紹介」の方が重視されている。
これって、もはや「ビジネス」じゃない。
人を紹介し続けなければ維持できない構造は、営業ゲームであって商売ではない。
紹介=ゴールになった時点で、中身の価値はもう見られていない。
その場しのぎの輪を、いつまで回し続ける?



紹介がゴールってことは、商品にゴールがねぇってことだ。
得られるのは仲間だけ、成長はない
ネットワークビジネスをやっている人はよくこう言う。
- 仲間ができた
- 人とのつながりが増えた
- 一人じゃないって最高
でも、ちょっと待て。
それって本当に、お前が求めてたものか?
「ネットワーク仲間」は資産じゃない
ネットワークビジネスを始めると、人との関わりはたしかに増える。
説明会、LINEグループ、勉強会。
最初は「仲間ができた」と感じるかもしれない。
でもその仲間って、本当に自分のためのつながりだろうか?
共通点はただ一つ、「商品を売るために集まった関係」だ。
関係が深まるほどプレッシャーが強くなり、やがて
- 紹介しろ
- 動け
- 辞めるな
の空気が生まれる。
それってもう、応援じゃない。
監視とノルマの空気だ。
ビジネスの世界で「資産」と呼べるのは、スキル・実績・信用の蓄積だ。
つながりが増えたという安心感に流されて、本当に欲しいもの(自由・成長)を見失っていないか?
何も残らない副業を選ぶ理由はない
副業をやる意味は何だ?
稼ぐことだけじゃない。
やった時間と努力が、自分の未来につながることだ。
たとえば、
- ブログなら、書く力と伝える力が残る
- 物販なら、仕入れと販売のスキルが磨かれる
- コンテンツ販売なら、マーケティングの知識が身につく
こうした副業は、経験もスキルも実績も積み上がる。
やればやるほど、自分に資産が残っていく。
でも、ネットワークビジネスは違う。
紹介して、勧誘して、買わせて…
それをやめた瞬間、すべてがゼロに戻る。
スキルも、実績も、何も転用できない。
残るのは、セミナーやミーティングに参加した記憶と、ネットワークビジネスをやっている知人の連絡先くらいだ。
副業で大事なのは、あとに何が残るかだ。
何も残らない副業を、わざわざ選ぶ理由なんてどこにもない。



積み上がらない副業は、時間の浪費だ。
本当にやるべき副業の条件とは?
ここまで読んで、「ネットワークビジネスはやらなくて正解だった」と思えたなら、それで十分だ。
でももし、「じゃあ自分は何をやればいいのか?」と感じたなら、最後に、やるべき副業の条件を3つだけ教えておく。
ひとりでも完結できること
本当にやるべき副業は、誰かに頼らなくても自分ひとりで回せる副業だ。
人を巻き込まない、組織もいらない、上も下も関係ない。
- 勧誘がいらない
- 説得がいらない
- 予定も売上も他人に振り回されない
そういう副業は、全部自分のペースで進められる。
焦らないでいい。
人間関係に気を使わなくていい。
辞めたくなったら静かに離れられる。
ネットワークビジネスのように、誰かに依存して成り立つ副業は、自分の都合だけで動けなくなる。
ひとりで完結できる副業は自由を奪わない。
むしろ、ひとりで回せることが最大の強みになる。
スキルや資産が残ること
副業で得たいのは「一時的な報酬」じゃない。
あとに使い回せる資産が残るかどうかだ。
- 書いた記事が検索で読まれる
- 作った商品が何度でも売れる
- 積み上げたスキルが他でも通用する
これが残らない副業は、作業で終わる「消耗型ビジネス」になる。
時間を使うなら残る副業を選べ。
やればやるほど「未来が楽になること」
副業は、未来を楽にするためにやるものだ。
- 一度作れば売れ続ける仕組みがある
- お客さんを毎回探さなくていい
- 営業しなくても申し込まれる流れがある
これがあるかどうかで、数ヶ月後の負担が変わる。
逆に、やればやるほど「やることが増える副業」は、ただの自転車操業だ。
続けた先に「仕組み」が回っているか?
未来が軽くなる副業か?
そこが、本当にやるべきかどうかの判断基準になる。



残らねぇ、回らねぇ、誰かに頼る、そんな副業やる意味ねぇ。
ネットワークビジネスに勧誘されたあなたへ|最後に伝えたいこと
「やってみればわかるよ」
「最初はみんな不安だったよ」
そんな言葉を信じかけたかもしれない。
でも、この記事をここまで読んだあなただから言える。
その不安は正しい。
稼げない理由は、構造にある。
あなたが悪いんじゃない。
仕組みが詰んでるだけだ。
副業は、もっと静かに確実に回せるものがある。
誰かを巻き込まず、スキルが残り、未来が軽くなる。
そういう副業を自分の手で選べ。
もし「何をすればいいかわからない」と思っても焦らなくていい。
一歩目は、「やらないと決める勇気」からでもいい。



ビジネスは冷静に選べば勝てる。
焦って選べば搾取されるぞ。
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